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最終更新日:2021/03/30
キッチンが古くなってきたので、新しくリフォームしようと思っています。 せっかくリフォームするからには、これからずっと使える、長持ちするキッチンにしたいです。
いろいろなメーカーさんから様々なキッチンが出ていて、どれを選べばいいのか迷ってしまいます。 長持ちするキッチンのポイントを教えてください。
(墨田区・A様)
長持ちするキッチンに関するご質問ですね。
インテリアコーディネーターの阿部容子がお答えします。
ポイント
「長持ちするキッチン」となると、やはり耐久性のある素材を使っているキッチンがオススメ、ということになります。
キッチンの造り自体が丈夫かどうか、耐久性のある部品を使っているかどうかも関係してきますが、ここでは主にキッチンの素材についてお答えします。
丈夫で長持ちなキッチンと言われて、まず思い浮かぶのはステンレス製のキッチンです。 ステンレスは、耐久性はもちろん、キズや水にも非常に強い素材です。
ステンレスは丈夫な素材というだけではなく、ホルムアルデヒドなどの有害な化学物質を発散しない、安全な素材です。 口に入るものを扱うキッチンで、この特性は大きな利点となります。
オールステンレスのキッチンをオーダーメイドしました。(文京区・Y様のリフォーム事例より)
ステンレスを使った家庭用キッチンでよく知られているのは、クリナップさんです。 ステンレスに力を入れているクリナップさんのキッチンは、長く綺麗に使えるキッチンとして定評があります。
通常、集成材が使われることの多いキッチンキャビネットも、クリナップさんのステンレスキッチンならすべてがステンレス製。 キッチンの構造自体がステンレス製なので、見えないところにカビが生えていた...なんてこともありません。
クリナップさんのステンレスキッチンの細部にわたるこだわりは、お客様の貴重な言葉から生まれたものだそうです。 耐久性、安全性に優れたキッチンとして、私たちもオススメしています。
オールステンレスではありませんが、こちらもクリナップさんのキッチンです。(荒川区・S様のリフォーム事例より)
クリナップさんのキッチンについては、こちらのQ&Aと公式webサイトも参考にしてくださいね。
業務用のキッチンや厨房機器はほとんどがステンレス製。 一般の家庭に比べて、使用頻度の高い業務用のキッチンには、もっとも適した素材といえるでしょう。
では、耐久性を考えるなら、ステンレスの業務用キッチンが一番オススメかというと、そうとも言い切れません。 業務用キッチンはとにかく耐久性を重視しているため、使い勝手やデザインは家庭用キッチンに劣ることが多いのです。
使いにくく、気に入らないデザインのキッチンだったら、キッチンに立つ気がしなくなってしまいます。 これではいくら長持ちでも意味がありませんね。
サンウエーブ(現LIXIL)の業務用キッチンを家庭で使用。(葛飾区・S様のリフォーム事例より)
一般のご家庭で業務用のステンレスキッチンを採用された方もいらっしゃいますが、ご家庭での使用に合わせてオーダーされた方がほとんどです。
サイズを測って注文したはずなのに、いざ設置しようとすると入らない!ということでは困ります。 リフォームに業務用キッチンを使いたい場合は、リフォーム会社に事前に相談されることをオススメします。
こだわりのステンレスキッチンをオーダーメイドしてくれる会社も増えています。 サイズを指定するだけでオリジナルを造ってくれるセミオーダーメイドなら、よりお手軽ですね。
業務用のキッチンは、システムキッチンに比べて、シンプルで収納が少ないので、収納を別に造り付けたり、収納ボックスなどを利用すると良いでしょう。
建築家がデザインしたオリジナルのステンレスキッチン。(江東区・Y様のリフォーム事例より)
長持ちするキッチンなら、ホーローもオススメしたい素材です。
ホーローは、850℃という高温の炉の中で、ガラスと鉄を一体化させて作られます。 ガラスと金属という2つの素材の、それぞれの特性が活かされているのです。
ホーローは表面がガラス質なので、湿気や水分を吸収しまぜん。 このため、木のように腐ったりたわんだりすることがなく、シミやカビ、錆の発生も防ぐことができます。 長い間使っていても、表面はツルツルで綺麗なままです。
もちろん鉄の特性も持ち合わせているので、ホーローキッチンは非常に頑丈。 長持ちするキッチンの素材としては、ステンレスと並んでオススメです。
ホーローキッチンでは、タカラスタンダードさんが有名です。 タカラスタンダードさんのホーローキッチンでは、キッチン内部や引き出しにまでホーロー素材が使われているものもあります。
また、ホーローキッチンはお手入れが簡単なのもうれしい特徴です。 ホーロー素材は汚れがしみ込むことがないので、サッと拭くだけで清潔感のある真っ白な状態を保てるのです。
油はねなどの汚れがつきやすいため、真っ白なキッチンは敬遠されがちですが、ホーローキッチンは白いものが人気です。 白いキッチンや淡い色のキッチンがお好みでしたら、ホーローキッチンをオススメします。
タカラスタンダードさんのホーローキッチンにはファンも多く、20年、30年と長く愛用されている方もたくさんいらっしゃいます。
リフォーム前もリフォーム後もホーローキッチンを選ばれました。(江東区・Y様のリフォーム事例より)
タカラスタンダードさんのキッチンについては、こちらのQ&Aと公式webサイトも参考にしてくださいね。
システムキッチンの中で、世の中に最も多く出回っているのは木製のキッチンです。
無垢材を使ったものもありますが、多くのキッチンはパーティクルボードやMDF(木の繊維を固めた素材)で作られています。 パーティクルボードやMDFは比較的安価な素材なので、幅広く出回っているようです。
こうした木製キッチンは、オレフィンシートや特殊強化紙に印刷したシートを貼って仕上げるため、色やデザインが豊富なのが特徴です。
耐久性の面では、ステンレスやホーローには敵いません。特に湿気や水に弱く、長年使い続けると、どうしても素材が劣化してきます。
木製キッチンの寿命が短いと言っても、木製のブロック型のキッチンを20年以上綺麗に使われているお客様もいらっしゃいます。 こうした事例では、ふだんの生活で、きちんとメンテナンスをしているかどうかがポイントになっているようです。
キッチンの素材が長持ちだとしても、水栓や給排水管、換気扇、ガスコンロなどの部品は、時々メンテナンスする必要があります。 全くメンテナンスをしないものと、時折手を入れているものでは、キッチンの状態はかなり変わってきます。
築40年の家で使われていた木製キッチン。とてもきれいな状態でした。(文京区・N様のリフォーム事例より)
家事をする者にとっては、毎日のお手入れが簡単で、長い間キレイを保てる素材はありがたいですが、それだけでいいキッチンとは限りません。 キッチンを長く使うには、自分に合う使い勝手やお気に入りのスタイル、色の好みも大切です。
キッチンを使われる方が何を重視するのかによって、それぞれのご家族に合うキッチンは違ってくるかもしれません。
ちなみに、キッチンのメーカー補償は、ほとんどのメーカーで2年とされています。ガス台や食器洗浄器などの設備機器は、保証期間が1年のことが多いです。 また、部品の保有期間はだいたい10年です。長い間同じキッチンを使っていると、修理ができない場合もあります。
キッチンは毎日使うものなので耐久性も大事ですが、そればかりにとらわれず、ご自分に合ったキッチンをお選びください。
エコリフォームのリフォーム事例から、キッチンリフォーム特集をご紹介します。