TOP > リフォームお役立ち情報 > リフォームQ&A > リフォーム全般 > マンションのスケルトンリフォームで、床の段差は解消されますか?
最終更新日:2021/03/30
築40年以上になるマンションに住んでます。
あちこち老朽化してきたので、そろそろスケルトンリフォームを考えています。
廊下に段差があるのが気になっているのですが、スケルトンリフォームをすれば、この段差は解消されますか?
(江東区・S様)
ポイント
築年数が40年、50年といった古いマンションでは、水まわりの配管による段差がよく見られます。
洗面所やトイレが一段高くなっていたり、廊下の床がリビングダイニングより高くなっていたりします。 10cm以上段差がある場合もあり、こうした段差をなんとか解消したいというご相談をよくいただきます。
マンションの各部屋から出る排水管は、最終的に一箇所へまとまります。 この配管のスペースが床下にあるため、水まわりの床が高くなっているのです。
また、トイレや洗面所、お風呂が廊下をまたいだレイアウトになっている場合は、廊下の下にも配管スペースが必要なため、廊下の床も高くなってしまいます。
リフォーム前は床の高さがまちまちでしたが、リフォーム後は高さが同じになるように調整しました。(台東区・Y様のリフォーム事例より)
マンションの段差の原因として一番多いのは水まわりの配管ですが、その他の原因で段差ができてしまうこともあります。
ガス管も、給排水管と同様に段差の原因となり、キッチンだけ床が高くなってしまいます。 また、リビングの床暖房をあとから設置した場合は、リビングの床が高くなります。
和室の畳をフローリングにリフォームする際や、床を厚みの違う素材にリフォームする際も、床の高さが変わることがあるのでご注意ください。 詳しくは、下記のページで解説しています。
玄関を大理石にすると段差が出てしまうため、大理石タイルを採用。表面は天然石ですが、3mmほどの厚さです。(ブログ「マンションリフォーム写真 今日の一枚」より)
水まわりの配管が原因で床に段差ができている場合、スケルトンリフォームをする際に配管も含めて計画し、床の高さに影響がないように再配管すれば、段差を解消することができます。
築年数の長いマンションでは配管の図面が残っていないため、実際に解体してみないと配管がどうなっているかわからないこともあります。 こうしたマンションでは、解体工事を慎重に進める必要があります。
また、マンションによっては配管がコンクリートに埋まっていて、移動できないことがあります。 この場合、再配管によって段差を解消することはできません。
もう一つの方法として、置き床工法でマンションのお部屋全体の床を少し高くする方法があります。置き床工法について詳しくは、下記のQ&Aをご覧ください。
小さなお子様やご高齢の方がいるご家庭では、床の段差につまずいて転ぶ可能性があります。 転んだ拍子に頭を打ったり、家具にぶつかったりして、重大な事故につながることもあるので注意が必要です。
また、車椅子を使う生活になったら、床の段差は自由な移動を妨げることになってしまいます。 自宅で自由に移動できないのは、大きなストレスですね。
段差を解消するには比較的規模の大きいリフォームが必要になりますが、バリアフリーリフォームの補助金・助成金制度が設けられている自治体も少なくありません。 段差の解消などのバリアフリーリフォームをお考えの方は、一度、お住まいの区市町村の制度を調べてみることをオススメします。
玄関から廊下を進んだ先にあった段差。扉を開けてすぐの位置から少し移動させて、安全に通れるようになりました。(江東区・I様のリフォーム事例より)