家の一部を賃貸用にするには？

いくら内装をきれいにリフォームしても、昭和の時代の下宿のように、家の一部をそのまま貸し出す形では、なかなか借り手がつきませんね。

例えば2階部分を賃貸用にするためには、まず外階段を設けるなどして、2階に別の玄関を造ります。 お風呂やトイレ、キッチンなどの水まわりも、共用というわけにはいかないので、それぞれ1階とは別に造っていきます。

これまで居室だったところを、玄関や水まわりにリフォームするということは、間取りも一から考え直さなくてはいけません。 かなり大規模な改修が必要ということになります。

スケルトンリフォームがオススメ

エコリフォームの母体は工務店ということもあり、古い木造住宅をリフォームするのは、私たちの得意とするところです。 これまで多くのお住まいを再生してきました。

ご質問のように、「昔は家族で住んでいた家だけど、今は一人暮らしになったので、スペースが余っている」という話をよく聞くようになりました。 「まったく使っていない2階を賃貸用にしたい」というご要望も少なくありません。

家を建て直して一部を賃貸用に、と思っても、都心の住宅密集地ではセットバックが必要になってしまう場合も多いものです。 そんな時にオススメなのが、スケルトンリフォームなどの大規模リフォームです。

スケルトンリフォームなら、今の建物の大きさはそのまま、建物の性能も仕様も新築に近い状態にすることができます。 スケルトンリフォームについては、下記のページで詳しくご紹介しています。

スケルトンリフォームとは？

1階を店舗に、2階を住居にした事例。玄関も別々に造り、2階部分は賃貸にすることも可能です。（中央区・A様のリフォーム事例より）

2階のみの工事は難しい可能性も

「それなら、1階はそのままにして、賃貸用にする2階のみ大規模リフォームすれば良いのでは？」と思われるかもしれませんが、下記のような場合は2階のみのリフォームが難しいため、1階・2階全体のリフォームをオススメします。

1. 耐震補強が必要な場合

   耐震性に問題がある家では、2階のみを補強しても、1階に負荷がかかって倒壊する恐れがあります。耐震性を上げるには、1階と2階をバランス良く補強する必要があります。

2. 間取りを大きく変える場合

   木造住宅では、1階と2階の構造をつなぐ柱や壁があります。間取りを大きく変えるために、こうした柱や壁を撤去すると、建物の強度が低下してしまうことになります。

3. 水まわりの位置を変える場合

   水まわりの位置を変えたり、新設する場合は、給水管や排水管を見直す必要があります。どちらも1階部分へつながっているため、2階のみの工事では難しいと言えます。

古い家を賃貸用にする時の注意

ご質問にあるような築50年以上の古い家では、よほどしっかりメンテナンスをしていないと、どうしても建物の劣化やシロアリ被害が見られます。 また、築50年となると旧耐震基準で建てられているので、耐震性にも不安があります。 こうした問題を考えると、古い家を賃貸用にするには、やはりスケルトンリフォームの必要が出てくることになります。

その他、古い家でよく見られる問題については、下記にまとめていますのでご参照ください。

古い家のよくある問題

もともと2世帯住宅として造られた建物なら、内装工事のみで賃貸併用住宅にすることも可能かもしれませんが、築年数が長い建物は補強が必要になる場合がほとんどです。 大規模リフォームでは工期も費用もかかってくるため、この先どれくらい建物を賃貸にする予定なのか、しっかり計画を立ててからリフォームすると良いでしょう。

将来的には家の一部を賃貸にすることもできるように、1階の配管を工夫しています。（千代田区・M様のリフォーム事例より）