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古い家のよくある問題
新しい家のリフォームと比較して、古い家のリフォームでは、工事中に問題が見つかることがよくあります。建物の内部の状態は、解体してみないとわからないためです。
主に築50年以上の古い家で見られる問題を、実際のリフォーム事例と共にご紹介します。より築年数の浅い建物でも、建築時の状態やメンテナンスの有無によっては、同様の問題が見つかることもあります。
古い家をリフォームする際によくある問題を4つご紹介します。
解体時にこうした問題が見つかると、問題を解消するために追加工事が必要になることもあります。古い家をリフォームする場合は、問題がある可能性を考慮に入れた上で計画を立てることをおすすめします。
1. 構造の問題
建物は建築当時の法律に従って建てられています。建築基準法は徐々に厳しい内容に改正されていますが、古い家の中には現在よりもゆるい基準で建てられたものが少なくありません。
構造に問題がある建物は時間の経過に伴って劣化している場合が多く、現在では使われていない工法で建てられているものもあります。
2. 耐震の不安
耐震の基準も、宮城県沖地震や阪神淡路大震災を経て、厳格なものに改正されています。古い家では耐震金物が使われていなかったり、そもそも耐震が考えられていないような場合もあります。
実際に古い家を耐震診断をしてみると、「倒壊する可能性が高い」という結果が出ることも多いのです。
3. シロアリ被害
古い家ではシロアリ被害もよく見られます。シロアリは水分を好むため、水まわりや雨漏りのあった箇所は特に注意が必要です。排水管が劣化して、知らない間に水漏れしている建物も見られます。
リフォームの際にはシロアリを防ぐ防蟻処理を行い、シロアリによって劣化した土台や柱などを交換する必要があります。
4. 建物の問題
建物に問題があると大規模なリフォームは難しくなります。長屋やテラスハウスなどの連棟式建物では、壁や梁などをお隣と共有しています。建物全体のリフォームなら問題ありませんが、1軒のみをリフォームする場合は、壁を造り直したり、梁を取り替えたりといった補強ができない可能性があります。
私たちが過去に手がけた築50年を超える古い家のリフォーム事例から、工事中、実際にどんな問題が見つかったのかを解説します。
増築部分の劣化
土台の不足
排水の不具合
後から増築された部分の劣化が、解体前に予想した以上に激しく、かなりの補修が必要でした。土台が不足し、柱も腐食していたことで、床の傾きも見られました。さらに配管が劣化し、きちんと排水ができていなかったために、地盤沈下も起こっていました。
埋まった基礎
シロアリ被害
外壁の改修不可
家の下の地面が不同沈下を起こして基礎が埋まり、床や天井が傾いていました。お風呂を増築した部分にはシロアリ被害が見られました。また、隣家との隙間がほとんどないため、外壁を改修することができませんでした。
耐震性の低さ
土台の劣化
シロアリ被害
長屋のため隣と一体になっている屋根裏などを調査して耐震診断を行ったところ、評点0.13と「倒壊する可能性が高い」結果に。基礎の一部は土に埋まり、土台が傷みやすい状態になっていたほか、シロアリ被害もいくつか見つかりました。
家の傾き
二重の屋根
基礎なし
東日本大震災の影響で家全体が傾いてしまったA様邸。機械で引っ張って傾きを矯正しました。増築時に二重にしていた屋根は、解体して軽くしました。直接土に乗っていた土台を持ち上げて補強し、基礎も新設しました。
柱の強度不足
土台の経年劣化
シロアリ被害
柱の強度が不足していたため、柱の追加や補強を行いました。土台部分も経年で劣化し、現在の基準に合う強度がありませんでした。キッチンにはシロアリ被害が見られ、壁が傾いていたので、防蟻処理をした木材に交換して補強しました。
古い家のリフォームについてさらに詳しく
古い家をリフォームする時の基礎知識を解説。
古い家をリフォームするときにかかる費用は?
一般的には築30年以上になると「古家」などと呼ばれますが、エコリフォームでは築80年、築90年といった建物もリフォームしてきた実績があります。条件次第では、住宅の寿命をもっともっと伸ばすことができるのです。
古い家では様々な問題が見られますが、やはり一番心配なのは耐震性です。実際のリフォーム事例でご紹介したように、解体してはじめて問題があることが判明することも多いのです。耐震リフォームのページもぜひあわせてご覧ください。
耐震リフォームとは?
エコリフォーム代表 塩谷理枝