玄関ドアの購入は注意が必要

一般の方が玄関ドアを購入する時は、細かい点に注意が必要です。

玄関ドアのサイズが少しでも違っていたり、玄関ドアの開きの左右を間違えた場合は、設置することができません。 玄関ドアは一般的に高価なものですから、大きな損害を被ることになります。

また、玄関はすべて同じ規格で造られているわけではありません。元の玄関の形状により、設置が難しかったり、設置できなかったりする玄関ドアもあります。 ご自分で玄関ドアを購入して、工務店さんやリフォーム会社さんに設置を依頼する場合は、事前によく相談してから購入された方がいいでしょう。

実際にあった失敗事例

以前、インターネットで購入した玄関ドアを設置してほしい、というご依頼をいただいたことがあります。 取り付けにうかがってみると、そのお客様の玄関には設置できないタイプの玄関ドアだとわかりました。

その後、返品することができたそうですが、返品にも手数料や手間がかかり、時間もロスしてしまいました。 建て付けが悪いなどの不具合が出ていたら、交換に手間取っている間に問題が悪化してしまうかもしれません。

こちらの玄関ドアはトステムの製品です。ドアに合わせて庇を塗装しました。（品川区・T様のリフォーム事例より）

DIYでの玄関ドア設置をオススメしない理由

玄関ドアの設置には、専門の知識や工具が必要なため、よほど慣れた方でないとDIYは難しいと思います。

既存のドア枠をそのまま使用して、上から設置できるリフォーム用の玄関ドアもありますが、こうした製品であっても、DIYでの設置は難度が高いです。

元の玄関ドアとまったく同じサイズの玄関ドアを購入しても、設置の際には、玄関ドアまわりの他の箇所にキズがついてしまうことがあります。こうした場合は、外側のドア枠や外壁、建物内側のクロスや玄関床のタイルなどの補修も必要になってきます。

また、玄関ドアは外部と接する部材なので、万が一、施工不良があったら大変です。やはり玄関ドアの設置は専門の業者さんに依頼されることをオススメします。

格子の間にガラスが入った和風モダンな玄関ドア。（文京区・F様のリフォーム事例より）

玄関ドアの施工不良は何が問題？

では、玄関ドアの施工不良は何が問題なのでしょうか。 一番大きな問題となるのは、施工不良によって、気がつかないうちに水が建物に入り込んでいた時です。

木造住宅では、内部の構造部分に水が入ると、柱などが腐ってしまい、非常に弱い建物となってしまいます。 さらに、腐った柱からは腐朽菌が発生します。この腐朽菌が、シロアリの大好物なのです。

柱に腐朽菌が発生し、その柱がシロアリに食べられると、建物はますます傷みます。 建物の力は著しく低下して地震や台風などに耐える力が無くなり、弱い風や自動車の振動でも揺れを感じるようになり、最悪の場合には倒壊してしまうことになります。

木造住宅以外の建物でも、水が侵入することは、建物の寿命を縮めることにつながります。「ちょっとした施工不良」と思われるかもしれませんが、玄関ドアは、建物の中でそれほど重要な部分なのです。

玄関ドアまわりから水が入り、シロアリが発生していました。（江戸川区・M様のリフォーム事例より）

早めのリフォームを

予算がないからと言って、玄関ドアの不具合を放置すると、突然開かなくなったり、鍵がかからなくなったりすることもあります。 防犯上の問題もあるので、早めにリフォームを検討しましょう。

数日かかることも多かった玄関ドアのリフォームですが、近年は短時間で施工できる製品が登場したこともあり、1日あればリフォームできる場合がほとんどです。一般的な費用は、玄関ドア本体と取り付け費、古い玄関ドアの処分費を合わせて20万円程度～となっています。

玄関ドアは「家の顔」とも言えるものですから、後で後悔しないよう、信頼できる業者さんに依頼することをオススメします。

玄関には引き戸もオススメです。（江東区・Y様のリフォーム事例より）