TOP > リフォームお役立ち情報 > リフォームQ&A > 地震と建物 > 一部屋だけの耐震補強で、地震に強い家になりますか?
最終更新日:2022/08/24
家が古いので耐震補強をしたいのですが、けっこうな費用がかかると聞きました。
家全体を補強するには予算が足りないので、一部屋だけ耐震補強しようと思っています。
一部屋だけの耐震補強で、家全体を地震に強くすることは可能ですか?
(台東区・Y様)
ポイント
残念ながら、一部屋を耐震補強しただけで、家全体の耐震性能が上がるわけではありません。しかし、一部分しか耐震補強ができないという場合には、一部屋を補強して「シェルター」を作る方法もあります。
一般的にシェルターとは避難所のことで、安全が保たれている空間を意味しますが、ここで言う「シェルター」は、少し意味が異なります。 大きな地震が発生した時、すぐに倒壊することがない安全な部屋を「シェルター」と呼んでいます。
どれほど耐震補強を施しても、既存の木造住宅の強度には限界があります。 東京都内で直下型の大地震が発生したら、無傷で済む家はほとんどなく、多くの木造住宅が倒壊することが予想されています。
一部屋をシェルターとしてしっかり耐震補強しておけば、地震で家が損傷したとしても、建物の下敷きになってしまうことはありません。 地震の揺れが収まってから屋外へ逃げることも可能になります。
長く過ごす部屋を重点的に耐震補強し、「シェルター」化しました。(文京区・T様のリフォーム事例より)
ご予算との兼ね合いはあると思いますが、「家全体を地震に強くしたい」とお考えなら、本来はバランスの取れた耐震補強が必要です。
全体に偏りなく壁を配置することで、地震の揺れに対する粘り力が増え、より倒壊しにくい建物になります。 さらに、壁に接合する土台や梁、柱をしっかり補強し、建物の状態によっては基礎も補強していきます。
耐震診断において、建物が倒壊しないとされる「評点1.0」のレベルまで補強するには、建物全体のバランスを考えて、こうした大規模な補強をする必要があるのです。
スケルトンリフォームを行い、「評点0.2」から「評点1.5」までアップしました。(目黒区・S様のリフォーム事例より)
家全体を耐震補強する場合は、費用も必然的に大きくなってきてしまいます。 だからと言って、まったく耐震補強しないのでは、大きな地震で家が倒壊してしまう危険があります。
ご予算に合わせて、シェルターを作るような一部屋だけの補強や、1階部分のみを補強するなど、ポイントを押さえた耐震補強をオススメします。 下記のQ&Aも参考にしてください。
いざという時に、家族の命を守る建物にすることが何より重要です。ご予算に合わせて、できる範囲での耐震補強をしておきましょう。
限られた予算内で、特に弱い部分を集中的に耐震補強した事例です。(墨田区・U様のリフォーム事例より)
ご自分でもできる地震への備えとして、家具を固定しておくことで、いざという時のケガを避けることができます。
家具の転倒を防止するグッズの使い方を動画でご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。