TOP > リフォームお役立ち情報 > リフォームQ&A > 地震と建物 > 旧耐震基準の木造住宅と、新耐震基準の木造住宅の違いは?
最終更新日:2021/03/30
墨田区にある昭和52年に建てられた家に住んでいます。
昭和56年以前に建てられた家は「旧耐震基準」と聞きました。 旧耐震基準の木造住宅と、新耐震基準の木造住宅はどこが違うのですか?
我が家のような旧耐震基準の家は、耐震補強をしないと危ないのでしょうか?
(墨田区・G様)
ポイント
昭和56年(1981年)に、建築基準法が大きく改正されて、「新耐震基準」ができました。 昭和53年(1978年)に発生した宮城県沖地震をきっかけとして、地震に対する考え方が変わったのに合わせて、建物の耐震基準も変わったのです。
具体的には、基礎や筋交いに関する基準が大きく変わり、より厳しいものとなりました。 旧耐震基準で建てられた木造住宅は、地震に耐える力が不足している可能性が高いのです。
そもそも、建築基準法とは何でしょうか?
建物がどの程度強いかという強度を決めるためには、基準となる「物差し」が必要です。 この物差しとなっているのが建築基準法です。 耐震基準は、地震の揺れに対して、どの程度の強さが必要かという物差しになります。
建築基準法は昭和25年(1950年)に施行されて以来、大きな地震がある度に、より厳しい基準へと改定されてきました。 言わば尊い犠牲のもとに変化してきたのです。
新耐震基準で建てられた木造住宅ですが、シロアリ被害により耐震性が低下していました。(渋谷区・O様のリフォーム事例より)
木造住宅の耐震性は、その住宅が建築された年代によって、以下のようになります。
※レベル4の「増改築」は、昭和56年(1981年)以降に建築確認申請を行ったものに限ります。
新しい木造住宅ほど、耐震基準が厳しい=耐震性が高いということになります。
前述のように、昭和56年(1981年)の建築基準法改正は、昭和53年(1978年)の宮城県沖地震を教訓として行われました。
その後、平成7年(1995年)に阪神淡路大震災が発生したことにより、平成12年(2000年)にも耐震基準が大きく改定されました。 これは「新・新耐震基準」「2000年基準」とも呼ばれています。
阪神淡路大震災では周期の短い「キラーパルス」が発生し、家屋の倒壊被害が多く見られました。 これに対応して、新しい耐震基準では、筋交いなどの部材を金物で固定することや、壁をバランス良く配置することなどが定められています。
築40年の木造住宅。耐震性に不安のある建物でしたが、耐力壁をバランス良く配置して安心に。(江東区・H様のリフォーム事例より)
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)の調査によると、過去に耐震診断を行った旧耐震基準の木造住宅のうち、97%が「倒壊する可能性がある/高い」という結果でした。新耐震基準の木造住宅でさえ、85%が「倒壊する可能性がある/高い」とされています。
耐震基準はあくまでも「基準」です。基準通りに正しく施工されていなければ、2000年代に建てられた木造住宅も安心とは言えません。
特に、地震の時に不安を感じているような場合は、新耐震基準・旧耐震基準に関わらず、まずは耐震診断を行って現状を把握することをオススメします。 耐震診断と耐震補強の流れについては下記をご参照ください。
開口部が大きいために耐震性が低かった建物。柱や梁、外壁を補強して「倒壊しない」レベルになりました。(文京区・N様のリフォーム事例より)
耐震診断の後は、耐震補強を行いますが、築年数の長いお住まいではかなり費用がかかることもあるので注意が必要です。 下記のQ&Aが参考になると思います。
各自治体では助成制度を設けて、旧耐震基準の木造住宅の耐震補強を進めています。 建物の安全は街の安全につながります。耐震性の低い家を放置せず、助成制度を活用して住宅の耐震性を高めましょう。
東京23区の耐震助成金情報は下記にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。