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最終更新日:2021/03/08
快適な室内環境を実現するためには、まず断熱性を高めることが大切です。 現在では、さらに心地よい空間を作り出すために、防湿・遮熱・遮音などの性能も求められることが多くなっています。
ここでは、お住まいに様々な性能をプラスするシートなどの素材をご紹介します。
ユニークな名前を持つ「ザバーン」は、室内の湿度を調節してくれる調湿性を持った可変透湿・気密シートです。
ザバーンはドイツのデュポン社によって開発され、日本では旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社さんが取り扱っています。
建物の気密性を保ちながら、独自の可変透湿性能を発揮するザバーンですが、「可変透湿」とはいったいどのような性能なのでしょうか。
気密性の高い住宅では、湿度の調整をしっかり行わないと、壁内部の湿度が上がって結露を生じることがあります。 ザバーンの可変透湿性能は、室内の湿度によって湿気を透過させたり、遮断したりする性能です。
ザバーンを壁の室内側に施工すると、室内の湿度を快適な状態に調整してくれるのです。
冬
冬は壁内部の湿度が、室内よりも低くなります。ザバーンは壁内部に湿気を通さず「防湿」します。
夏
夏は壁内部の湿度が、室内よりも高くなります。ザバーンは壁内部の湿気を通し「透湿」します。
水蒸気をたくさん含んだ暖かい空気が冷やされて、水蒸気が水に戻った状態を結露と言います。 結露には、冬によく見られる表面結露と、意外にも夏に多い内部結露があります。
表面結露
表面結露は窓や壁などで発生します。水蒸気を含んだ暖かい空気が、壁などの建材で冷やされて結露します。
冬は室内が暖かく、建材は外気で冷やされているため、表面結露が起こりやすくなっています。
冬場、窓に水滴が付くイメージです。
内部結露
内部結露は壁の内部で発生します。水蒸気を含んだ暖かい空気が壁内部に侵入し、そのまま冷やされて結露します。
夏は外気が高温多湿で、エアコンの普及により室内が比較的冷たいため、内部結露が起こりやすいのです。
内部結露が発生すると、カビが発生したり、柱や土台が腐ったりして、建物に大きなダメージを与える可能性があります。
ザバーンは湿度を調節して内部結露を防止する優秀な可変透湿・気密シートですが、同じように透湿性を持つ断熱材と組み合わせることで、その性能を十分に発揮することが可能になります。
写真は、透湿性のある断熱材、ウールブレスとザバーンを組み合わせて施工しているところです。
建物の寿命を延ばすためにも、壁の中に使われる素材にこだわりたいものですね。
ラミパックSDは酒井化学さんの製品で、気泡緩衝材の両面をアルミ箔で挟んだ薄くて軽い遮熱シートです。
気泡緩衝材は、お菓子の缶などにも入っているプチプチのこと。 ラミパックSDは、この気泡緩衝材に純度99%のアルミ箔を熱でくっつけて作られます。
化学的な接着剤が一切使われていない安心素材です。
夏場の温度上昇を防ぐために、車の中に銀色のシートが置かれているのを目にしたことはありませんか? ラミパックSDはあのシートと同じような性能があります。
ラミパックSDを屋根の下や外壁に設置すると、日光の赤外線を90%以上カットし、遠赤外線による輻射熱も遮断します。 夏場は強い日差しを防いで室内の温度上昇を防ぎ、冷房効率を高めます。
また、冬場は、室内の熱の放出を防ぎ、暖かく保つ断熱効果があります。 通常、断熱材の性能は厚みに比例しますが、ラミパックSDは薄くても高性能なところもポイントです。 長屋のリフォームなどで壁の厚みを取ることが難しい場合も、ラミパックSDなら施工することが可能です。
壁の中に施工して、周囲の音を遮るのが遮音シートです。
遮音シートは、機械の動作音のような低い音よりも、人の話し声やテレビの音声などの中高音に高い効果を発揮します。
エコリフォームでは、長屋やテラスハウスなど、隣の家と接しているお住まいで遮音シートを施工するケースが多いです。 長屋で、隣が飲食店という事例でも、「遮音シートで音がかなり抑えられた」という声が聞かれました。
遮音シートは外壁に使用する他にも、トイレのまわりに施工して、他の部屋に水の流れる音が伝わらないようにする使い方もあります。
また、遮音シートを2枚張り、3枚張りにするとさらに効果がアップします。 周囲の騒音が特に気になるという場合は、遮音シートを複数枚張ることをおすすめします。
なお、壁が鉄筋コンクリートの場合は、あまり効果を感じられないこともありますので注意しましょう。
セーフティーサポートは、株式会社タナカさんが販売している防振ゴム基礎パッキンです。 木造住宅の基礎と土台の間に基礎パッキンを組み込む「基礎パッキン工法」に使用されます。
基礎パッキン工法は、通気性が良くなり、床下換気口が不要になるという利点があります。 床下を乾燥した状態に保てるため、湿気が多い土地やネズミなどの対策に有効と言われています。
通常の基礎パッキンは樹脂製ですが、セーフティーサポートには天然ゴムが使用されているため、自動車による振動や騒音が基礎と土台に伝わるのを防ぎます。 また、地震の揺れや風による衝撃を軽減する効果もあります。
防湿や遮熱など、様々な性能を付加する素材をリフォームに使用した事例をご紹介します。