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最終更新日:2023/09/04
近年、安全で環境にも配慮された様々な自然塗料が開発されています。 リフォームの仕上げに、自然塗料を採用してみるのはいかがでしょうか。
無垢フローリングの仕上げとしても使われるオイルフィニッシュ向けの自然塗料オイルと、お部屋の雰囲気に合わせて家具や建具をカラー塗装するのに使われる自然塗料をご紹介します。
それぞれの塗料にメリット・デメリットがあるので、目的にぴったりのものを選んでくださいね。
オイルフィニッシュとは、木材に乾きやすい乾性油を塗り、内部に浸透させる塗装仕上げのことです。 オイルフィニッシュを行うと、木材表面に塗膜ができないため、メンテナンスが容易で、木の本来の持ち味が活かされます。無垢フローリングにはぴったりの仕上げです。
オイルフィニッシュに使用するオイルは何でもいいわけではありません。 オイルが木材に浸透後、木の内部で硬化(固体化)することで木材を保護・強化するため、硬化するオイルでなければオイルフィニッシュには使えません。
オイルフィニッシュのメリットは、木の風合いを生かした自然な仕上がりが得られることです。デメリットは、水や手垢などに対してはそれほど強くないことです。
オイルフィニッシュは、木材本来の美しさを引き出すことができるのが魅力です。
そんなオイルフィニッシュ用の自然塗料の一つが、「ワトコオイル」です。
イギリスで生まれたワトコオイルは、亜麻仁油を主原料として、塗装しやすいように配合されています。 安全性の高い溶剤を使用し、有害な化学物質を一切含まない、環境対応型の塗料です。
ワトコオイルを塗ると、木材の内部に浸透した後、化学作用によって液体から固体に変化します。 その際に、半永久的な弾性と剛性が加わって、木材を強化するのです。
塗膜を張らずに浸透するため、木の調湿機能が保たれ、木本来の温もりや味わいを維持することができます。
ワトコオイルはマットな仕上がりで、深みのあるウェット感があります。 自然なカラーバリエーションが用意されていて、誰でもムラなく簡単に塗れるのも嬉しいですね。
他に、撥水効果の高い最適なワックスタイプや、メンテナンス用のスプレータイプ、乾燥時間を短縮したリフレッシュオイルなどがあり、用途に合ったタイプを選べます。
植物油脂性無公害塗料の「バトン(VATON)」は、亜麻仁油、大豆油、ヒマシ油、ヒマワリ油といった植物油脂を主原料としている大谷塗料さんの製品です。
美しい仕上がりと塗りやすさが魅力のバトンは、木材の耐久性を増し、紫外線による変色や劣化から木材を保護することができます。 これは、バトンが木材と親和性の高い天然植物性油脂を使用しているためで、木材内部に浸透した後、硬化して、中から素材を補強します。
また、バトンは木材本来の木目や柔らかさなどの美点を引き出します。 美しい仕上がりを得るのに、熟練した技術や専門的な道具は必要なく、DIYでのハケ塗りでもムラが目立つことなく美しく塗ることが可能です。 臭いも抑えられているので、室内での作業も安心です。
バトンは自然素材から作られた塗料で、有害な化学物質も使われていません。 食品や医薬品にも使用できるほどの安全性を持つため、小さなお子様やペットとお暮らしでも安心して使用できます。
バトンは屋内、屋外を問わず、様々な木材に使用することが可能です。リフォームで木材の保護、強化、ツヤ出しをする際、自然塗料のバトンなら安心して使用できそうです。
「ユーロ」は、人にも環境にも優しい塗料として、大阪塗料工業さんが開発した日本製の自然塗料です。
ユーロの主成分は、天然植物油、蜜蝋ワックス、赤色顔料・研磨剤のベンガラといった自然素材です。
木目を活かして、しっとりした風合いに仕上げることができます。
天然植物油として、亜麻仁油と桐油にヒバ油をブレンドすることで、ヒノキチオール成分由来の抗菌作用、リラックス作用がプラスされています。
蜜蝋ワックスは木材保護機能に優れ、撥水性を長期間維持します。ユーロを塗った木材に水をこぼすと、水滴が玉になって弾かれる様子を見ることができます。
ベンガラが加わることにより、耐候性に優れ、紫外線から木材を守ることも可能になりました。
ユーロは木に深く浸透するため、木の呼吸を妨げることがありません。 重ね塗りが可能なためリフォームも容易で、塗装面に傷が出来た場合には、その箇所を平らに整えて塗り重ねればOKです。
ユーロは内装にも外装にも使える塗料です。防虫剤、防腐剤を含んでいないため、子供部屋の家具や玩具の塗装にも安心して使用できます。
「アウロ(AURO)」は、ドイツで誕生した自然塗料のトップメーカーで、日本ではアウロジャパンさんが総代理店としてアウロ製品を取り扱っています。
100%天然原料を使用した塗料を60種類以上も開発しているアウロでは、原料の調達から生産、流通、廃棄に至る全ての工程が環境への影響を最小限に抑え、エコロジーに最大限の配慮をしています。 アウロの製品は原料の栽培にも農薬や化学肥料を使用しないという徹底ぶりで、身体にも負担がかからないことから、高く評価されています。
エコリフォームのショールームでも、無垢フローリングの仕上げとしてアウロのオイルワックスを使用しました。 乾燥には少し時間がかかりますが、乾くとサラリとして、木材の色合いも味わい深く仕上がります。
アウロでは、オイルワックス以外にも自然塗料やクリーナーなど、環境に配慮した自然素材を販売しています。
スウェーデン産まれの自然塗料「Bonaオイル」。 日本では株式会社オカベさんが輸入・販売しています。
Bona製品は、DIYで使用する家庭用と専門業者向けの業務用に分かれていますが、どちらも安心して使用できる商品になっています。
オイルフィニッシュに使われるBonaオイルは松の木のオイルをベースに作られ、有害物質であるコバルトを含まず、低VOC(揮発性有機化合物)なので、人にも環境にも優しいオイルです。 木のあたたかみや美しさを強調しつつ、無垢フローリングを摩擦から守ることができます。
外部デッキなどの屋外木材には、浸透性のBonaデッキオイルが用意されています。こちらは亜麻仁油をベースにしていて、耐候性に優れたオイルです。風雨や紫外線、厳しい寒さ、暑さからも外部の木材を守ることができます。
家庭用として販売されているBonaインドアウッドオイルも亜麻仁油を原料としています。無垢フローリングや家具などに使用すると、木目が際立つツヤ消し仕上げになります。
「いろは」は、広島のアールジェイ株式会社さんが製造販売している自然塗料シリーズです。
国産の浸透性木材保護塗料で、人の健康と地球環境に負荷を与えないよう、天然成分を厳選して作られています。 主な成分は、植物油脂の桐油と亜麻仁油、蜜蝋、松脂樹脂です。
日本古来の天然顔料ベンガラを含み、インテリアにあたたかみを与える、美しく落ち着いた色を作り出します。 近年では古民家再生時にも使用されていて、古材の風合いを損なうことなく活かせるのは、国産の塗料ならではの特性でしょう。
また、いろはは優れた耐候性を持ち、木材の美しさを長く保つことができます。 木材が本来持っている、室内の空気を最適な湿度に保ち、結露を防止する調湿作用を損なうことがありません。
ウレタン塗料を塗った時のように、木の肌触りが冷たくなることもなく、暖かみを感じることができます。
一度塗りでしっかりと着色でき、臭いが少ないので施工する人にもやさしい塗料です。 屋内の家具に適しているだけではなく、屋外での使用も可能なので、いろいろな部分のリフォームに使えます。 メンテナンスの手間がかからないのも有難いですね。
ドイツのオスモ&エーデル社が扱う自然塗料が「オスモ」です。 木の魅力を最大限引き出すことのできる木材保護塗料として世界中で使用されています。
オスモは、自然由来の植物油と植物ワックスを精製して作られているので、小さなお子さんのいるご家庭でも安心して使用することができます。 有害な成分は含まれておらず、環境安全面に厳しいドイツ規格にも合格しています。
オスモの一番の特長は撥水性に優れる点です。
無垢材に撥水性をもたせる場合、よく使われるのはウレタン塗装ですが、ウレタン塗装をすると木の呼吸が妨げられてしまいます。 オスモは浸透性が高いため、撥水性を発揮しながら木の呼吸は妨げず、木本来の調湿性が保たれるのです。
ただし、ウレタン塗装と比較すると、オスモの撥水性はやや劣ります。
屋内用、屋外用、フローリング用、クリア仕上げ、ツヤありなど、バリエーションが豊富なことも、リフォームで使いやすい特長の一つになっています。
ウッドデッキは屋外で使用するため、色あせや劣化が気になりますね。 自然塗料で保護しておけば、長く美しい状態を保ち、メンテナンスも容易になります。
ウッドデッキの塗装に使用するなら、屋外木部用で浸透性があり、再塗装もしやすい自然塗料が向いています。
ここで紹介した中ではバトンやオスモ、他にはリボスシリーズのタヤ・エクステリアがオススメです。
それぞれ特徴のある塗料なので、リフォームでウッドデッキを造るときにはぜひこだわって選んでくださいね。
木材のもともとの美しさや木目を活かすのも素敵ですが、お部屋の雰囲気に合わせてカラー塗装するのもいいですね。 リフォームのタイミングで、再利用する家具や建具の色を変えてみるという手もあります。
そんなカラー塗装の時にも、安全で環境にも配慮された自然塗料を使いたいものです。 ここでは、安心して使用できるカラー塗装用の自然塗料を2つご紹介します。
安心できて使いやすい、カラー塗装用の自然塗料のひとつが「バターミルクペイント」です。
アメリカの開拓時代、職人は独自のペイントカラーを出すために、農作物や土やレンガの粉といった自然素材を顔料として、様々な色合いの塗料を作っていたそうです。
こうした塗料で着色された家具や内壁、外壁を、今でも見ることができます。
バターミルクペイントは、このアメリカ開拓時代の塗料を研究して、新たに自然素材の安心な塗料として開発されたものです。
家具や壁、インテリアや屋内外の木製品など、様々な用途に使用できます。 臭いが少なく耐水性に優れるので、外壁にもよく合います。
バターミルクペイントの魅力は、アーリーアメリカンの柔らかな色調と、仕上がりのマットな美しさです。 カラフルでありながら暖かみのあるカラーバリエーションから、好みのものを選ぶことができます。
バターミルクペイントは水性塗料ですが、抜群の吸着性と伸びがあり、塗りやすくなっています。 ハケやブラシ、ローラー、スプレーガンでも塗装することが可能です。
木材だけでなく、ビニールクロスやモルタル、コンクリート、鉄にまで塗装できるので、リフォームの際に利用できる素材の幅が広がりますね。
数種類のバターミルクペイントを混ぜ合わせてオリジナルの色を作ることもできますよ。 古くからの職人の知恵を利用して、安心な自然塗料でリフォームを楽しみましょう。
プラネットカラーは、100%植物油と植物性ワックスを使用した、人と環境に優しく、無垢材の魅力を最大限に引き出すことができる自然塗料です。 プラネットジャパンとドイツの会社との共同開発で生まれました。
プラネットカラーの成分は、全て詳細に公開され、安全性が証明されています。さらに製造工程においても、環境への配慮がなされています。
プラネットカラーは内装にも外装にも使用することができます。
内装に使用する場合は、通常1回塗りで木材を保護します。水まわりに使用する場合は、2回塗りでしっかりとした撥水効果が得られます。
高い耐候性があり、外装に使用すれば紫外線から木材を護り、美しい色艶を保つことが可能です。
さらっとした塗料なので、簡単に広い範囲に塗ることができます。乾燥が早く、通常1回塗りで仕上がるのもうれしい特長ですね。
木目を活かした半透明の仕上がりになるタイプや、しっかり色がつくするタイプなど、それぞれ10色以上のカラーがあります。 好きなカラーを選んで、安全にカラー塗装を楽しみましょう。
自然塗料でオイルフィニッシュ加工を施した事例をご紹介します。