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天然成分を使った床材 リノリウム

最終更新日:2019/11/22

リノリウムは主として床に使われる建材です。 学校や病院などの床にも広く使われています。 小学校や中学校の床がリノリウムだった、という方も多いのではないでしょうか。

一時期あまり使われなくなったリノリウムですが、天然成分を使って製造されていることから、近年再評価されています。

リノリウムの歴史は古く、1860年代にイギリスで開発されました。日本に持ち込まれたのは1919年のこと。 社名にも「リノリウム」が含まれる東洋リノリユーム株式会社(現在の東リ株式会社)が製造販売していました。 当時は戦艦の甲板にも使われていたそうです。

リノリウムは、一見、ビニールなどの化学素材に見えますが、実際は亜麻仁油や石灰岩などの天然成分のみで作られる自然素材です。住宅リフォームでは、洗面室やトイレの床に使われています。

リノリウムは製造に時間がかかるため、安価で早く製造できるビニール系の床材に押され、あまり使われなくなっていました。近年は自然にも身体にも優しい素材として、再び人気が高まっています。

リノリウムの特徴

  • 化学物質や有害物質が発生しない。
  • 自然から生まれ、自然に還る。
  • 発火点が高く、燃えにくい。
  • 亜麻仁油の抗菌効果がある。

リノリウムはなかなか優秀な特徴を持つ素材です。抗菌だけでなく、抗ウィルスの効果もあるとされています。リノリウムの製品である「マーモリウム」の実験結果によると、ノロウィルスとインフルエンザウィルスが24時間で99.9%以上不活化されました。

参考:マーモリウム

リノリウムは木目調や大理石調などの柄があるほか、カラーバリエーションも豊富です。 身体に優しいだけでなく、リノリウムでアートな空間としても楽しめそうですね。

天然素材を使っているリノリウムは静電気が起きにいため、ホコリやアレルゲンが床に溜まることがありません。 アレルギーや喘息が心配なご家庭でも、安心してお使いいただけます。

また、リノリウムは復元力があるため、キャスターつきのイスを使っても跡が残りにくくなっています。 防音性にも優れているので、学校に採用されるのもうなずけますね。

リノリウムの成分

  • 亜麻仁油
  • 松ヤニ
  • コルク粉、木粉
  • 石灰岩
  • 天然顔料

リノリウムは、これからの成分を混ぜて乾燥させ、麻布(ジュート)に圧着して造られます。

リノリウムの成分で特徴的なのは、亜麻仁油が持つ高い抗菌性です。 院内感染で問題となる、黄色ブドウ球菌に対しても抗菌作用を発揮します。さらに耐薬品性も高いため、病院の床の素材として使われてきました。

多くの人が利用する施設で長年に渡って使われてきた素材ですから、その耐久性もお墨付きです。

リノリウムの注意点

リノリウムには、ちょっとクセのある独特な臭いがあります。 施工から時間が経つとだんだん消えていきますが、気になる方もいるかもしれません。 また、強い紫外線が当たるところは、色の変化が生じることがあります。

リノリウムは上からワックスをかけることで耐水性を補うことができます。 ワックスはだんだん取れていくため、時々メンテナンスが必要です。 リノリウムはアルカリに弱いため、必ず、中性の専用ワックスを使用します。

自然素材でありながら、温かみのあるカラーも揃っているリノリウム。ぜひともお使いいただきたい素材です。

リノリウムに近い床材

リノリウムに近い素材として、コルクタイルがあげられます。 リノリウムに比べて撥水性が高いため、エコリフォームの過去の事例ではコルクタイルの方が人気となっています。 コルクタイルについてもあわせてご覧ください。

参考:コルクタイルと市販のコルクマットの違い

参考:コルクタイルのメリット

参考:コルクタイルのデメリット

リノリウムを採用された事例

床材としてリノリウムを選ばれた方のリフォーム事例をご紹介します。