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最終更新日:2021/03/30
中古のマンションを購入して住んでいます。
電気は地震が起きた時に復旧が早いと聞いて、オール電化にしたいと思いました。
今住んでいるマンションはオール電化ではありませんが、オール電化にリフォームすることは可能ですか?
(港区・T様)
マンションのオール電化に関するご質問ですね。
インテリアコーディネーターの阿部容子がお答えします。
ポイント
「オール電化」は、キッチンや給湯、冷暖房などに使われるエネルギーを、すべて電気で賄うお住まいのことです。 オール電化以外のお住まいでは、キッチンや給湯にガスを使っていることが多いのではないでしょうか。
地震などの災害でライフラインが止まることがありますが、通常、電気が最も早く復旧すると言われています。 ガスはガス漏れの危険があるため、確認作業に時間がかかるのだそうです。
また、電力自由化の時代ですから、電力会社と料金プランを賢く選択することで、トータルの光熱費がお得になるメリットもあります。
近年ではオール電化のマンションも見られるようになりましたが、これは建築当初からオール電化として計画されているからできることです。 もともとオール電化ではない中古のマンションを、後からオール電話に変更するのは非常に難しいのです。
オール電化への変更が難しい理由は大きく2つあります。 1つ目はマンション管理組合の許可が必要なこと、2つ目は貯湯タンクを設置するスペースが必要なことです。
マンションでは、建物自体の電気容量が決められています。オール電化にするためには、建物自体の電気容量を増やす必要がありますが、管理組合の許可なしに自由に変更することはできません。
また、オール電化に変更するためには配線・配管工事を行います。これもマンションの共有部分に影響するため、管理組合の許可を得なければなりません。
これまでにオール電化にした住戸がある場合は、同じようにオール電化にできる可能性もあります。まずはマンションの管理組合に問い合わせてみましょう。
オール電化のお住まいでは、給湯も電気で行われます。電気温水器には瞬間式と貯湯式の2つがあり、電気容量の少ない一般家庭では、貯湯式の電気温水器が採用されています。 貯湯式の電気温水器を使用する際、温めた温水を貯めておくのが「貯湯タンク」です。
貯湯タンクは小さいものでも150リットル程度、大きいものでは500リットル以上にもなります。サイズも重量も大きいので、特にマンションでは、貯湯タンクを設置するスペースの確保が難しいのです。
オール電化マンションの貯湯タンク。460リットルタイプの大きなものです。(ブログマンションリフォーム写真 今日の一枚より)
お部屋全体を電化するオール電化が難しいとお伝えしましたが、部分的な電化なら比較的簡単にできる可能性があります。
例えば、キッチンのガスコンロをIHクッキングヒーターに変更するのも部分的な電化です。これについては下記のQ&Aで詳しく解説しています。
一方、給湯を電化するのは非常にハードルが高いと言えます。 オール電化にせよ、部分的な電化にせよ、メリット・デメリットがあるので、よく検討した上で計画されることをオススメします。