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最終更新日:2021/03/30
キッチンと洗面室、トイレのリフォームを計画しています。
リビングと同じ無垢フローリングを使いたいのですが、水まわりの床を無垢フローリングにしても大丈夫ですか?
または、水まわりに向いている自然素材があったら教えてください。
(葛飾区・K様)
水まわりの無垢フローリングに関するご質問ですね。
インテリアコーディネーターの阿部容子がお答えします。
ポイント
キッチンや洗面脱衣室などは、リビングに比べると、水のかかる量が断然違います。 水まわりを無垢フローリングの床にする場合は、水が無垢材にしみ込まないような撥水塗装をした方が安心です。
無垢フローリングをウレタン塗料で仕上げると、無垢材が塗膜にコーティングされた状態になるので、水を弾く効果があります。 ウレタン塗装仕上げの無垢フローリングは、無垢材が調湿性を発揮できないというデメリットはありますが、水や汚れには格段に強くなります。
撥水塗装をしても無垢材の足触りの良さは損なわれないので、はだしになる洗面脱衣室にはオススメです。
洗面室の床に無垢材を採用した事例です。マットなどを敷いて使うのもいいですね。(豊島区・O様のリフォーム事例より)
撥水性の高い塗装を施しているとは言え、フローリングのお手入れには注意が必要です。 濡れた雑巾を放置したり、濡れたバスマットを置きっぱなしにしたりすると、変色してシミになったり、塗装が劣化して剥げたりします。
もっともこれは、無垢材だけのことではなく、合板フロアやプラスチック製タイルなどでも同様です。 床に水をこぼしたり、水が大量にはねたりした時は、きちんと拭き取るようにしましょう。
ダイニングキッチンの床はカバ桜の無垢フローリングにしました。木目がやさしく、柔らかな印象です。(目黒区・S様のリフォーム事例より)
では、無垢フローリングに使う無垢材の種類によって、違いはあるのでしょうか?
広葉樹のチーク材は、針葉樹のスギやマツに比べると丈夫です。船の甲板にも使われるチーク材ですが、「水まわりに最適」と言えるほど水に強くはありません。 やはり水まわりに使う場合は撥水塗装を施した方が良いでしょう。
無垢材の種類については、下記のページもご参照ください。
ダイニングキッチンにナラの無垢フローリングを採用。ナラは堅く、キズがつきにくいのが特徴です。(江東区・K様のリフォーム事例より)
無垢フローリングの風合いもステキですが、エコリフォームでは水まわりの床材としてコルクタイルをオススメしています。
コルクタイルは水に強く、耐久性も高い素材です。浴室専用のコルクタイルも販売されているくらいです。 冬場の水まわりは寒くなりがちですが、断熱性に優れたコルクタイルなら足元がほんのり暖かく、お子様やご高齢の方に特に向いています。
さらに、弾力性があるため、キッチンで物を落とした時の衝撃も吸収します。 コルクタイルは水まわりの床材として、一番バランスが取れた素材だと思います。
コルクタイルのメリット・デメリットについては下記をご覧ください。
1階はリビングからキッチンまですべてコルクタイルの床に。水に強いのでお手入れも楽々です。(台東区・I様のリフォーム事例より)
コルクタイルは、カラーや表面処理によって異なり、いくつかの種類があります。
自然のままのコルクタイルは薄い茶色ですが、焼き加減で濃淡をつけることができるため、濃い茶色のものも見られます。 また、着色塗装することも可能で、ホワイトやブラウンなどのカラーがあります。
表面処理は、ワックス焼き込みや、ウレタン塗装、アクリルUV塗装などがあります。 自然な風合いを生かしたければワックス焼き込みタイプ、耐久性が欲しい場所にはウレタン塗装仕上げを選ぶと良いでしょう。
洗面脱衣室の床にコルクタイルを張りました。冬場に裸足でもヒヤッとしない素材です。(江東区・T様のリフォーム事例より)
生活スタイルやご家族構成によって、オススメの床材も違ってきます。 例えば、小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、お手入れが楽なクッションフロアをオススメすることもあります。
無垢フローリングは素晴らしい自然素材ですが、お手入れに手間がかかるなどのデメリットもあります。 メリットだけではなくデメリットもきちんとご理解いただいた上で床材を選ばれるのが良いと思います。