TOP > リフォームお役立ち情報 > リフォームQ&A > 住まいの設備 > リビング内の階段に、引き戸の扉を付けることは可能ですか?
最終更新日:2021/03/30
リビングのすきま風がひどく、冬は暖房しても寒く感じます。
リビング内にある階段に引き戸を付ければ、すきま風を防げると思うのですが、可能でしょうか?
階段のまわりにスイッチやインターホンがあるので、設置できるか心配です。
(練馬区・S様)
引き戸の設置に関するご質問ですね。
インテリアコーディネーターの阿部容子がお答えします。
ポイント
リビングに階段があると、階段から冷気が流れ込んできたり、冷暖房効率が悪くなったりします。 扉をつければこうした悩みは解消されますが、開き戸は開け閉めするスペースが必要になるので、引き戸というのはいい選択ですね。
階段のまわりにスイッチやインターホンが設置されているお住まいも多いと思います。 こうした箇所に引き戸を設置する場合は、おそらく電気配線の工事も必要になると思われます。
具体的には、壁や天井をいったん解体して、電気配線とスイッチ類の工事を行い、クロスの工事などをして壁を元通りにします。 工事の規模は大きくなり、かかる費用も多くなってしまいます。
玄関とリビングの境にシナ合板の引き戸を設置。猫ちゃんがいるのでペットドアもつけました。(千代田区・M様のリフォーム事例より)
階段に扉を設置する場合、もう一つ注意したいのが、扉を取り付ける位置です。 階段ギリギリのところに扉を設置すると、階段を上っている途中で扉の開け閉めをすることになり、たいへん危険です。
引き戸であれば開き戸よりは安全ですが、特にご高齢のご家族や小さなお子様にとっては、急な扉の開け閉めが思わぬ事故につながる可能性もあります。
階段を下りきったところ、または上りきったところに余裕をもって立てるくらいのスペースは確保することをオススメします。
階段のすぐ近くではなく、少し距離をおいて扉を設置しましょう。
扉や障子、ふすまなどを建具と呼びますが、もともと建具のない場所に建具を設置する場合、既製品ではサイズが合わないため、オリジナルで造作することになります。
建具の素材としては、無垢材・突き板・シートの3種類があります。
無垢材は天然の木の一枚板です。重量があり高価なため、建具にはあまり使われません。環境によっては反りが出てくるので、建具が開け閉めできなくなってしまいます。
引き戸によく使われるのは突き板です。突き板は天然木を薄くスライスしたもので、合板で造った芯材に張って仕上げます。表面は天然木になるので、オイルでメンテナンスすることで長持ちし、味わいが出てきます。
シートは樹脂や紙などでできていて、木目を印刷したものが多いです。突き板と同様、合板に張りつけて仕上げます。最近のシートはよくできていますが、耐久性はあまりありません。
押入れの襖を、タモ材の突き板で造られた引き戸に交換しました。(江東区・T様のリフォーム事例より)
後から引き戸を設置した例として、玄関と廊下の境に3連の引き戸を設置した場合をご紹介します。 ご質問の方と同様、玄関からのすきま風に悩まれていたそうです。
設置箇所の横幅は127cmありました。3連引き戸は3枚の板に分かれた引き戸で、開けると板1枚分の幅(1/3)に収まります。 枠が付くことを考慮しても、開口部は幅80cmほどになり、余裕をもって出入りできます。
設置箇所のサイズに合わせてオリジナルで造作したもので、扉と枠の材料に造作費、設置費を含め、30~40万円の費用がかかりました。
3連引き戸で部屋を2つに仕切れるようにしました。(目黒区・M様のリフォーム事例より)
引き戸を設置するのは、思ったよりも大がかりな工事になりがちで、それなりに費用もかかることになります。 他の方法としては、アコーディオンカーテンやロールスクリーンもすきま風対策になります。
アコーディオンカーテンはマグネットでぴったり閉じられるものが多く、間口も広く取れるのでオススメです。 ロールスクリーンはより安価で手軽に設置することができますが、サイズオーダーしても多少のすき間は開いてしまいます。 ファブリックにこだわるなら、カーテンを設置するのも一つの方法です。
インテリアの好みとご予算に合わせて、様々なリフォームが考えられますのでご検討くださいね。
和のスペースを、ロールスクリーンで仕切って、空間を有効活用しています。(江東区・E様のリフォーム事例より)