TOP > リフォームお役立ち情報 > リフォーム自然素材 > 基礎を補強する素材(アラミド繊維・炭素繊維)
最終更新日:2019/05/24
2000年に改正された建築基準法では、基礎をコンクリート+鉄筋で造ることが定められています。 しかし、それ以前に建築された木造住宅では、鉄筋が入っていない基礎も見られます。
アラミド繊維と炭素繊維は、そんな基礎を比較的手軽に補強できる素材です。
基礎は家を支える大切な構造です。 現在でこそ、コンクリート+鉄筋の基礎が標準となっていますが、昔の木造住宅では鉄筋の入っていない基礎も多く見られます。
なぜ基礎を補強しなければいけないのでしょうか。
大きな地震が起こると、基礎が揺れによって押されたり引っ張られたりします。 コンクリートは押される力に強く、鉄筋は引っ張られる力に強い素材のため、コンクリート+鉄筋でどちらの力にも耐える強い基礎ができることになります。
鉄筋が入っていないコンクリート製の基礎は、押される力には強いものの、引っ張られる力には弱いことになります。 コンクリートが地震の力で強く引っ張られると、ひび割れやクラックができて弱くなり、ひいては建物崩壊の原因にもなってしまいます。
建築当時の基準では問題なかったとは言え、鉄筋の入っていない基礎は早めに補強する必要があるということです。
スケルトンリフォームの場合は、基礎を増打ちしてさらに頑丈な基礎に補強することもできますが、工期とコストは嵩みます。
基礎の状態や工事の規模、予算によって、どの方法で補強するか決めるといいでしょう。
アラミド繊維と炭素繊維は、高速道路や橋などの大規模建造物の補強にも使われています。 どちらも布のような柔らかい素材なので、テープのように貼り付けるだけで基礎を強固にすることが可能です。
アラミド繊維
アラミド繊維はポリアミドとも呼ばれる高耐熱・高強度のプラスチック繊維です。 引っ張られる力に非常に強くその強度は鋼鉄の5倍~7倍になります。
摩擦や衝撃にも強く、タイヤや光ケーブル、防弾チョッキなどにも使われている素材です。
炭素繊維
炭素繊維は有機繊維を蒸し焼きにして作られる、ほぼ100%炭素の繊維です。 とにかく軽くて強いのが炭素繊維の特長で、鉄の1/4の重さで10倍の強度があります。
摩擦に強く耐熱性があり、ロケットや航空機、自動車などにも使われています。
鉄筋の入っていない基礎を、アラミド繊維・炭素繊維で補強する様子を実際の事例からご紹介します。 どちらも同じように施工しますが、写真はアラミド繊維のものです。
(1)ブラシで基礎の表面をならして、凹凸をなくします。
(2)繊維がコンクリートによく接着するよう、下地材を塗ります。
(3)接着用の樹脂を塗り、繊維を貼ってローラーで密着させます。
(4)仕上げ剤を塗って乾燥させます。
(5)これで強い基礎に生まれ変わりました。
別のリフォーム事例でも、アラミド繊維で基礎の補強を行いました。動画でご紹介します。
アラミド繊維・炭素繊維による基礎の補強を行った事例をご紹介します。どの事例も築年数が長いお住まいになっています。