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耐震補強の強い味方、構造用合板と耐震壁

最終更新日:2019/05/24

木造住宅の耐震補強リフォームで使われる構造用合板と耐震壁をご紹介します。

多くの木造住宅は木材を組み合わせて造られますが、地震で大きな力がかかると、木材のつなぎ目に負荷がかかり、倒壊につながることもあります。

構造用合板と耐震壁は、木造住宅を面で支えるための素材です。 壁を補強することで、地震に強い家を実現します。

構造用合板

構造用合板は、木造建築物の構造の主要な部分に使われる、あらゆる方向からの力に耐えることのできる合板です。

木造建築物を補強し、地震の揺れにも強くなるので、エコリフォームでも木造住宅の耐震補強リフォームによく使用しています。

なぜ木造建築物を補強できるのか

日本の木造住宅のほとんどは木造軸組工法で造られています。

木造軸組工法では、木材を組み合わせて柱や梁、土台などの骨組みが造られますが、組み合わせた木材の「継ぎ手」の部分が弱点となります。 伝統的な工法で継ぎ手を接合したり、耐震補強金物で補強したりしますが、大きな地震で強い力がかかると、家が傾いたりゆがんだりして、倒壊する恐れもあります。

そこで、構造用合板のように、地震の強い力にも耐えられる素材で壁を造ります。 柱や梁などの「線」で支えられていた家が、壁という「面」で支えられることになり、特に横からの力に強い家になるのです。

構造用合板の基準

構造用合板は、通常の合板とは異なり、JASの基準が細かく定められています。 厚さやサイズ、品質などにより、1級と2級の構造用合板に分けられます。

構造用合板の強度を確保するため、施工する際の釘の本数、釘を打つ間隔も決められています。 中には、釘を打つ位置に印がつけられている構造用合板も販売されています。

JASの基準に合格した構造用合板には、JASのスタンプが押されます。

このスタンプには、ホルムアルデヒドの放散量も☆の数で記されているので、シックハウス症候群が心配な場合もきちんと確認して使用することができるのです。

耐震補強で重要なのはバランス

構造用合板が地震に強いからといって、すべての壁を構造用合板にすればいい、というわけではありません。

耐震補強で重要なのは、全体のバランスです。

構造用合板で造られた壁は横からの力には強いものですが、地震の揺れによる力は様々な方向からかかってきます。 より強くしたい壁には、構造用合板に加えて筋交いを使用するなど、バランスを考えて強い壁を配置することで、大きな地震に耐える建物を実現しています。

ガーディアンウォール

ガーディアンウォールの特長

ガーディアンウォールは、住宅構造研究所さんが開発・販売している耐震補強壁です。

その一番の特長は、天井や壁を壊さず、室内から補強工事ができるということです。

通常の耐震補強工事では下地に補強を施すことが多いため、リフォームでは壁などを壊して施工することになります。 補強した壁をそのままというわけにはいかないので、再度クロスを貼るなどして修繕が必要です。

一方、ガーディアンウォールは、壁を壊さず耐震補強工事が可能なため、工期もかからず費用も抑えることができます。 住みながらのリフォームにもぴったりですね。

なぜ地震に強いのか

木造住宅の柱には、他の木材との接合部として細くなっている箇所があります。 ガーディアンウォールは、この部分をしっかりと補強する補強プレートがついているので、大きな地震でも柱が折れてしまう心配はありません。

また、3枚のパネル構造になっているため、大きな力をパネルの間から逃がすことによって、粘り強く家を支えるのです。

ガーディアンウォールは、日本建築防災協会の住宅等防災技術評価を取得するなど、公的な機関にもその強さを認められた耐震補強壁です。

荒壁パネル

「荒壁」を知っていますか? 土壁を造る時には、まず竹で下地を組み、その上に藁すさを混ぜた土を塗ります。この、一番始めに塗る壁が荒壁です。

荒壁パネルは、荒壁を施工しやすいようパネルにしたもので、丸浩工業さんが開発・販売を行っています。

粘り強さには自信あり

古い寺社や伝統的建築物など、大きな地震があっても崩壊しないでそのまま経っている建物があります。 こうした木造建築の粘り強さの理由は、土壁にあるかもしれません。

きちんと施工された昔ながらの土壁は、地震の揺れに耐える力だけではなく、揺れによって建物が変形しても崩れない粘り強さを持っています。 京都大学防災研究所金沢工業大学の協力による実験結果では、荒壁パネルは従来と同様の力と強さを持っていることが証明されました。

土だから安心・快適

荒壁パネルは、施工に時間と手間のかかる土壁下地をパネル化したものなので、主な原料は土です。 土は防火素材なので、万一の火災からも延焼を免れることができます。燃焼時に有毒ガスが出ることもありません。

また、土は調湿性、断熱性にも優れた自然素材です。結露を防止し、室内の空気をさわやかに保って、快適な空間の演出にも一役買ってくれますよ。

サンプルを触ってみると素朴な土の質感が感じられますが、土壁の下地として使われるものなので、見えなくなってしまうのはちょっと残念ですね。

荒壁パネルは、化学物質を使用していないので、有害なホルムアルデヒドが発生することもありません。 人にも地球にも優しい素材なのです。