今年は大きな節目の年に成りそうです。
今回閣議決定された建築基準法の改正はいろいろと面白いです!
今回、改正の背景には、大きな木造住宅の火災による被害がありました。そうです、記憶に新しい糸魚川の大火災です。
そのほかにも既存の木造住宅へのさまざまな試みが感じられます。
1) 建築物・市街地の安全性の確保
[1] 建築物を常時適法に維持するための維持保全計画の作成等が求められる囲を拡大
[2] 防火地域・準防火地域※1において延焼防止性能の高い建築物の制限を10%緩和 等
※1 防火地域・準防火地域:市街地における火災の危険を防除するために定める地域
※2 建ぺい率:建築物の建築面積の敷地面積に対する割合
2) 既存建築ストックの活用
[1] 戸建住宅等(延べ面積200㎡未満かつ3階建て以下)を他の用途とする場合に、在館者が迅速に避難できる措置を講じることを前提に、耐火建築物等とすることを不要とする
[2] 用途変更に伴って建築確認が必要となる規模の見直し 等
(3) 木造建築物の整備の推進
[1] 耐火構造等とすべき木造建築物の対象の見直し(高さ13m・軒高9m超 →高さ16m超・階数4 以上)
[2] [1]の規制を受ける場合についても、木材をそのまま見せる(あらわし)等の耐火構造以外の構造を可能とするよう基準を見直し 等
(4) その他
[1] 老人ホーム等に係る容積率※制限を緩和(共用廊下等を算定基礎となる床面積から除外)
※ 容積率:建築物の延べ面積(床面積の合計)の敷地面積に対する割合
[2] 興行場等の仮設建築物の存続期間(現行1年)の延長
※国土交通省HPより参照
これらの改正をよく見てみると、木造関連の改正が数多く見られます。
都市部でストック化されてしまった数多くの木造住宅を何とかしなければ、来るべき大地震への備えや都市火災なでにも対応できないと国もようやく重い腰を上げた感じです。
その中でも、(3)の木造建築物の整備推進は期待できます。我々が最も得意とする分野です。
これから、オリンピックへの期待とともに東京のストック化されてしまった住宅へどんどん手が入るようになるかもしれません。
今年は、木造が面白いです!