西日本を直撃した台風21号や、列島を縦断した台風24号など、大風の被害は大変でした。
近畿地方や静岡県などで電柱の倒壊や電線の破損による停電が起こり、何日も電気が使えないご家庭が数多く出ました。
また、同時期に起こった北海道胆振東部地震では、前代未聞の全道停電(ブラックアウト)が発生しました。この停電の原因は電気の使用量と発電量のバランスが崩れたことによるもので、一度ブラックアウトが起きてしまうと、周波数の乱れを直すのにかなりの日数を要します。
この一連の災害と停電により、国内の産業にも様々な影響が及びました。
短期間のうちにこれだけ多くの場所で停電が何日も続いた例は、過去にも珍しいのではないでしょうか。
オール電化住宅は災害に弱い?
今回のような停電が続いた中では、「オール電化住宅なので、停電になると何もできない」という声をよく聞きました。オール電化は災害に弱いから、ガスも併用したほうが良いのではという声も耳にしますが、実際には家庭内のガス給湯器やファンヒーターなどはほとんどが電気制御です。ガスを引いているご家庭でも、停電時には電池式のガスコンロが使える程度になってしまいます。
北海道のご家庭はこれから寒くなっていく時期に入り、「もしこの停電が冬だったら…」と電気を失うことの怖さが改めて思い知らされたといいます。
これが教訓となり、今季は電源のいらないストーブやカセットコンロの売り上げが倍増しているそうです。
北海道地震:防災グッズ品薄 電源不要ストーブ増産へ –毎日新聞
停電が起きてしまうと、普段当たり前のことが当たり前でなくなってしまいます。
各地で「想定外」の災害が数多く発生している中、オール電化に限らず、家庭での大規模停電への備えは今後ますます重要になるでしょう。
停電の二次災害を防ぐ6つのポイント
私達がもし停電にあってしまった場合、そこから起こる二次災害の危険性も考えなければなりません。以下に停電による二次災害を防ぐポイントを6つご紹介します。
- ガスボンベなどの燃焼系発電機は室内等の閉鎖された空間で使用しない。
- カセットコンロなどはガス漏れの危険性もあるため、換気に注意する。
- 家を出る際にはブレーカーを落とし、留守中の通電火災を予防する。
- 電気復旧の際の過電流で電化製品が壊れる可能性があるため、コンセントを抜いておく。
- 室温や冷蔵庫内の温度上昇による食中毒に注意する。
- 大きな地震の後は、余震を想定して避難する。
室内での火器の使用は火災だけでなく、ガス漏れや一酸化炭素中毒にも注意が必要です。特に停電時には換気扇も動かないため、目に見えないガスや空気は盲点になりがちです。
また、電気が復旧した際に配線がショートして起こる通電火災は、阪神淡路大震災で起きた火災の原因の6割を占めていたそうです。
やはり何事にも備えが大切です。
停電も地震や台風などの災害とセットで起こる天災の一つとして考えて準備することが必要なのかもしれません。