2024年8月号の記事の中に「今すぐ見直す我が家の防災」という特集記事があり、耐震性が心配ならば壁・基礎・屋根・柱の補強で「倒れない家」を手に入れる、という事柄について4ページにわたって書かせていただきました。
>>> 婦人公論2024年8月号
普段ホームページの中や耐震セミナーなどでお話している事柄ですが、やはりホームページをご覧になられた記者の方から、読者の方にわかりやすく説明してほしいとのご依頼があり、多くの方がご覧になる本ですので、喜んでご協力させていただきました。
内容は、ぜひ婦人公論を購入していただきたいと思うのですが、私のような男性には、失礼ながら縁の少ない本です。
しかし、ここのところの日本全国の多くの地震には、どこにいても安心できる土地はないという事が皆さんの中で共有できたと思います。
記事の中にも書いてありますが、能登半島地震では、亡くなった方の9割が家屋崩壊によるものでした。
どんな家が地震に弱いのか、地震の揺れに耐える強い家にするためにはどうすればよいのか。
本当に基本中の基本ですが、今一度私も見直してみる必要があると感じました。
常々言っている事柄ですが、家も体も同じです。「現状を知る事」が一番重要です。
そのためには、「診断」が必要です。
専門家であればあるほど詳細に見てくれます。記事には書いていませんが、「診断」と名がつく以上診断者のレベルは重要です。
木造は木造なりの専門性があります。私などは、鉄筋コンクリートや鉄骨造などはまったくわかりませんし、耐震診断と言われてもお断りします。
お医者さんでも、眼科と循環器内科では専門分野が違うことと似ています。
私も建築を志してきてから40年以上経ちました。
工務店を父と一緒にやっていたころと独立して妻と二人で工務店を立ち上げた30年前では、今とはだいぶ木造の工法も法律も違います。
一番違うのは、皆さんの意識です。
神戸の震災から東北の大震災、そして熊本、北海道、最近の能登まで、多くの地震による被害を目の当たりにしてきました。
新築住宅を手がけていたころから「地震に強い家」を標榜してきました。その時には、地震と言ってもあまり皆さん関心がないように感じていました。
エコリフォームを作った20年前にもスケルトンフォームを手掛ける事が多かったため、新築と同様な性能を持たせる事としました。そして、何よりお客さまに説明する際に、わかりやすく誰でも数値化することで理解してくれるのではないかと皆で考えました。
現状を知るという事はとても大切ですが、もっと大切なことがあります。
記事の最後に触れましたが、「家族の中で話し合う」という事です。
各家庭や個人の判断ですが、すべての方が改修を行う必要はありません。いくら助成金があろうとも、家にお金をかけたくないという方は多くいらっしゃると思います。
賃貸住宅の方も社宅住まいの方も事情がおありのことでしょう。
その時に、いつかは来るであろう直下型の地震に対しての「防災意識」を普段から持っておくことが大切だと思うのです。
家も人間もあっという間に年齢を経てしまいます。
手遅れになる前に、皆さんや各個人でできることから始めて、皆さんの一番大事な財産である自身と家族の命を守ろうではありませんか。