エコリフォームのwebスタッフ柴田です。
最近はこれまでに作成したリフォーム事例の整理などをしているんですが、高齢の両親と同居するためにリフォームする方もけっこういるな、と思いました。
私にも高齢の母がいて、今のところは元気に一人で暮らしていますが、将来はどうなるかわかりません。いつかは同居しなきゃいけないかもしれない。もう本当に他人事じゃないんです!
・・・同じような境遇の方も多いんじゃないでしょうか。
内閣府の『平成30年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果』によると、子供がいる60歳以上の高齢者の73.4%が「将来、同居もしくは近居したい」と答えているそうです。
中でも、持ち家(一戸建て)に住んでいる方は、4割弱が「同居したい」のだとか。
高齢者と言っても、60代、70代はまだまだお元気な方も多いですが、80代、90代になってくると、やっぱりどこかしら具合が悪かったりします。
そうなると、将来的には同居したいと考える方が多いのかもしれません。
また、配偶者を亡くしてお一人暮らしの方も増えるので、子供の側としても心配ですよね。
ご両親が住んでいた家をリフォームで二世帯住宅に
そこで、まずはご両親が住んでいた家をリフォームで二世帯住宅にした事例をピックアップしてみました。
「ぼちぼち二世帯住宅にリフォームして、年老いた親と同居しようかな…」とお考えの方の参考になればと思います。
まずはこちら、ご両親が住んでいた家を二世帯住宅にリフォームして、お嬢さんご家族と暮らすことにした事例です。
ご両親+お嬢さんご夫婦+子どもたちの3世代で暮らすことにしたんですね。
ほとんどがガレージだった1階をご両親のスペースに。
2階をお嬢さんご家族4人のスペースにしました。
玄関は1つですが、キッチンもお風呂もトイレも1・2階それぞれに設けている分離型の二世帯住宅です。
建坪16.3坪と、エコリフォームが手がけるにしては大きめな建物なこともあり、いい感じに生活スペースを分けることができました。
リフォーム当時、ご両親がまだお若かったことも、リフォーム計画がスムーズだった理由の一つではないかと思います。「年老いた親」とか言ってないで、親がまだ元気なうちにちゃんと計画するのも大切ですね。
次にご紹介するのも、ご両親が住んでいた家を二世帯住宅にリフォームした事例です。
息子さんの結婚を機に二世帯住宅化したそうです。
1階部分は仕事に使う倉庫だったそうですが、ガレージ+共用スペース+ご両親世帯のスペースに。2階部分は新婚夫婦のスペースにしました。
玄関とお風呂は共有しているタイプの二世帯住宅になります。
こちらのお宅のポイントは、猫ちゃんが4匹もいること!家族がみんなネコ好きとのことで、猫ちゃんは1・2階を自由に行き来できるようにしました。
「親世帯のペットを、子世帯には入れさせたくない…」(またはその逆)という方もいるので、この辺もリフォーム前に話しておくといいですね。
この事例では、息子さんご夫婦がお隣に近距離別居していましたが、子どもが成長するにつれてだんだん手狭に…。そこで、ご両親の家を二世帯住宅にリフォームして、同居することになりました。
新築に建て替えるか悩んだ末にリフォームを選ばれたのは、リフォームの方が費用が抑えられることが大きかったようです。
1階は親世帯、2階は子世帯のスペースにしました。
建坪が約20坪と大きめの建物なのに加えて、玄関とお風呂を共用にしたことで、さらにゆとりのあるリフォームプランに。
「6人のご家族のそれぞれに個室がほしい」というご要望にも応えています!
こちらのお宅でも猫ちゃんを飼っているので、1階のお部屋にはキャットウォークを設置しましたが、2階には自由に行けないような間取りになっています。
子世帯の子どもたちが小さいうちは近距離別居
→ 子どもたちが成長して親世帯も歳を重ねた頃に同居
という理想的なパターンになったのではないでしょうか。
年老いた親と同居する二世帯住宅のポイント!
ここでご紹介した3つのリフォーム事例は、建物の古さも大きさも様々、もちろんご家族の形やご事情も異なります。
しかしどの事例も、年老いた親と同居する二世帯住宅に大切な「3つのポイント」をしっかり押さえているのです。
(1)1階と2階で世帯を分けて、親世帯は1階に
年老いた親世帯は、そろそろ仕事をリタイアしている頃でしょう。現役でバリバリ働いている子世帯とは、生活時間が違っていて当たり前です。
1階と2階で世帯を分けることで、生活時間の違いもそれほど気にならず、それぞれプライバシーを保つことができます。
また、親世帯にとって、階段の上り下りが必要な2階での暮らしは、年を取るにつれて負担になってきます。親世帯は1階で暮らす方が、介護が必要になった時も何かと便利です。
加えて、床をバリアフリーにしておくと、安心して暮らすことができます。
(2)トイレとキッチンは両方の階に
家族の人数にもよりますが、トイレが1つしかないと、まず足らなくなります。
そして、どちらかの世帯が階段を上り下りしないとトイレに行けない、ということになってしまいます。これでは不便ですよね。
トイレは必ず1階と2階に設けるようにしましょう。
また、キッチンも親世帯と子世帯それぞれに設けることをおすすめします。
好きな時に自由にキッチンを使えないのはかなりのストレスで、お互いにイライラすることに。
1階と2階で世帯を分ける意味もなくなってしまいますね。
広さの都合上、玄関やお風呂を共用にする場合は、共用部分のエリアを区切ると上手に使い分けることが可能です。
(3)将来の変化に備えた間取りに
ご両親が今はまだ元気でも、将来的には病気で介護が必要になるかもしれません。
トイレへの動線を良くしたり、お風呂を大きめにするなど、介護しやすい間取りにしておくと、いざという時に助かります。
また、親世帯が病院や施設に入ることになったり、子世帯の子どもたちが独立したりして、家族の人数が変わることも考えられます。
引き戸でお部屋を仕切るようにしておくと、つなげて使ったり、分けて使ったりと、フレキシブルに使えるのでおすすめです。
二世帯住宅へのリフォームは、一般的なリフォームに比べると、大規模で費用もかかるもの。家族の形や人数が変わったらまた大規模なリフォームをするのでは大変です。
リフォームした二世帯住宅にいつまで住むかを考え、将来まで快適に暮らせるように計画しておきましょう。
いつか親世代が亡くなった後も、子世代と孫世代で住み継いでいけるような二世帯住宅になるといいですね。
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