再建築不可の家のリフォームに立ちふさがる「3つの悪条件」とは?

エコリフォームのwebスタッフ柴田です。

私たちエコリフォームが手がける大規模リフォームの多くは、再建築不可の建物です。
「再建築不可」って聞いたことはあるけど、意味はうろ覚え…という方も多いのではないでしょうか?

再建築不可とは、ズバリ、壊して新築することができない建物のことです。
建築した時は当時の法律に則って(おそらく)ちゃんと建てられていたんだけれども、その後、法律が変わったせいで、そういう建物は建てちゃダメということになっちゃったんですね。既存不適格というやつです。

壊して新築できないということは、直しながら住み続けるしかないということになります。もちろん売却することも可能ですが、条件が良くないだけに、金額は安くなってしまいます。

再建築不可ってどのくらいあるの?

再建築不可の理由として一番多いのは、接道義務を果たしていないことです。
通常、幅が4メートル以上の道路に接していなければいけないのに、もっと細い路地にしか接していない建物や、そもそも道路に接していない建物は、接道義務を果たしていないことになります。

総務省統計局の「平成30年住宅・土地統計調査結果」によると、東京23区の総戸数4,901,200戸のうち、敷地が道路に接していないのが59,900戸、幅員2m未満の道路に接しているのが182,700戸、幅員2~4m未満の道路に接しているのが1,156,700戸だそうです。これをグラフにしてみました。

これを見ると、実に1/4くらいの建物が接道義務を果たしていないことになってしまいます。
が、住宅が密集している東京23区内では、幅が4メートル未満でも特例として認められている道路がたくさんあるため、実際には全体の5%程度=245,060戸くらいが接道義務を果たしていない再建築不可の建物と言われています。
家が100軒あれば、5軒くらいは再建築不可ということになるので、そこら中に再建築不可があると言っても過言ではありませんね。

そこで我々、リフォーム会社の出番となるわけです。
再建築不可の家でも、一度骨組みの状態にして造り直すスケルトンリフォームならできます。スケルトンリフォームをすれば、新築同然の家に生まれ変わります!

スケルトンリフォームの事例はこちらにたくさん掲載してまーす

新築同然とは言え、あくまでもリフォームなので、いろいろと条件があります。
では、暮らしやすい家へのリフォームを難しくする悪条件には、どんなものがあるのでしょうか?

リフォームを難しくする「3つの悪条件」

東京23区の接道義務を果たしていないような再建築不可の建物は、基本的に敷地が狭いのです。つまり、狭小住宅ですね。住宅が密集している路地の長屋をイメージしてもらえるとわかりやすいと思います。
敷地が狭いのは、暮らしやすい家を実現するための大きな障壁になります。

余談ですが、私の母方の実家は足立区某所にあり、細い路地の先にある小さな家で、まさに再建築不可を絵に描いたような建物です。今思うと、「よく家族でここに住んでいたなあ」という狭さですが、昔の東京では当たり前だったんですよね。

なんと敷地7坪の家も!リンク先で狭小住宅のリフォームについて解説しています。

さらに、再建築不可の建物は、現在では建てられない家=古い家になります。
建築基準法が作られた1950年より前の建物か、都市計画法が作られた1968年より前の建物がほとんどなので、築50年以上の建物です。

私たちは築70年、築80年、築90年!という建物もリフォームしているので、築50年なんてまだまだ…なんて思ってしまいますが、一般的には築50年と言えば、十分古い家ですよね。
古い家では、断熱材が入っていなかったり、耐震性が低かったり、年月を経てあちこち劣化したりしています。これもまた、暮らしやすい家にするには大きな障壁です。

古さを活かすアイデアも。リンク先で古い家リフォームについて解説しています。

そして3つ目の悪条件は、予算的に厳しいということです。
「お金ならふんだんにありますよ~~~!!」という、うらやましい方は置いておいて。

スケルトンリフォームをして新築同様に生まれ変わるということは、新築を建てるのと同じように手間がかかり、材料費もかかります。つまり、お金の方も新築並みにかかるってことです。
時には不具合を修繕するために新築以上の費用がかかることもあります。

新築の家をポーンとキャッシュで買っちゃう人はそれほどいないように、スケルトンリフォームの費用をポーンとキャッシュで払えちゃう人もそれほどいるわけではありません。
そこで、新築を買うのと同じように「ローンで…」ということになるんですが、再建築不可物件のリフォームの場合は、一般的な住宅ローンは使えないことが多いんです。

なぜなら、住宅ローンには担保が必要ですが、再建築不可の家は担保としての価値が低いんですね。悲しいですがこれが現実なのです。ノンバンクの住宅ローンやリフォームローンは使えますが、金利が高いことは覚悟する必要があります。

いつまで住むか考えてリフォーム計画を

3つの悪条件をまとめると、こういうことになります。

再建築不可の建物は、基本的に狭くて古い
→だから、リフォームするにはお金がかかる
→でも、金利の安いローンは使えない!

再建築不可の物件が安いからと言って安易に購入してしまうと、リフォームするお金が足りないということになりがちです。個人的には本当におすすめできません。

では、「生まれ育ってずーっと住んでいる家が再建築不可の建物で、これからも住み続けたいんだけど…」という方はどうすればいいのでしょうか?
なるべく早いうちに、いつまでその家に住むのか、そのためにいつリフォームすればいいかを、しっかり考えておくことをおすすめします。

例えば、あと10年ほどしか住まない予定なら、スケルトンリフォームまでしなくても暮らしていけるかもしれません。(多少の不便はありそうですが)
あと20年、30年と住み続けたい、あるいは子どもたちにずっと住み続けてもらいたい、という場合は、どこかの時点で一度大規模なリフォームをすることで、家の寿命を延ばすことができるでしょう。

ぼんやりしている間に、雨漏りしたり、床が抜けたり、地震で損壊したりしたら、住み続けることができなくなってしまいます。いざそうなったら、建て直すこともできないのです。

再建築不可の家にお住まいの方は、早め早めにリフォームの計画を立てて、資金もしっかり準備しておきましょう!

こちらのQ&Aも参考にしてくださいね。

リフォームQ&A:築50年以上の再建築不可物件にかかるリフォーム費用は?

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