再建築不可物件ってお得なの?

東京23区の2023年1年間に売り出された新築マンションの平均価格が、1戸あたり初めて1億円を突破しました。

1億円って・・・。

23区の新築マンションの平均なので、特別豪華なわけではなくすごく広いわけでもなく、一般的なマンションで1億円です。

そこで今注目されているのが中古戸建住宅です。

その中でも、特に価格が低く、目を引くのが再建築不可物件。

東京都内の不動産を検討されている方で、この文字を目にしたことがない人は少ないのではないでしょうか。

その周辺の土地価格から比べて半額くらいの金額で掲載されているので、お得なのでは?とついつい契約してしまいそうになりますし、エコリフォームにもお電話やメールなどで「再建築不可物件を検討しています」といった内容や、「もう契約済なのでリフォームをお願いしたい」というお問合せも頂きます。

再建築不可物件のデメリットの部分を重々理解した上で、購入されているのなら良いのですが、価格が安いからとリスクの部分を知らずに契約してしまったケースも多々ありました。

価格が安く、駅近など立地上も魅力的な物件の多い再建築不可物件ですが、なぜリスクが高いのか、お伝えしたいと思います。

再建築不可物件とは

文字の通り、一度建物を解体してしまうと、再度建物を建てることが出来ない土地に建つ不動産物件の事です。

色々な条件により再建築が出来ない土地になってしまいますが、都内で一番多いのが接道義務違反です。

<接道義務違反とは>

建築基準法上の道路に2m以上接道していない土地

建築基準法上の道路に2m以上接しているが、間口が2㎡未満の土地

です。

2mというのは、緊急車用がギリギリ通れる道路の広さなので、2m未満ですと災害時や緊急時に、消防車や救急車が入れない土地ということになってしまいます。

一度取り壊してしまうと、新しく建物を建てることができない土地なので、今ある建物をメンテナンスしたりリフォームしたりして維持をしていかなければなりません。

再建築不可物件の建物は、築年数が経った建物が多く、維持管理にはかなりの費用がかかってきます。

再建築が可能な土地であれば、今気になるところに最低限手を入れて、しばらくして気が変わったら建て替えてもいいかな~、という選択もあるのですが、再建築不可物件にはその選択肢が無いので、建物を全力で維持していかなればなりません。

再建築不可物件のリスク

・リフォームにかなり費用がかかる場合が多い

・ローンが組めない事が多い

・資産としては価値が低い

・売る際にも、価格が低く売れない可能性がある

再建築不可物件をリフォームして長く住むには、費用がかなりかかると考えて下さい。

建坪10坪弱の2階建て住宅で築年数が30年以上であれば、フルスケルトンした場合、2000万以上かかってしまうことも少なくありません。

再建築不可物件を購入する際ローンが付きにくいので、キャッシュで買ってしまい、資金が殆どなくリフォームが出来ないという方もいらっしゃいました。
購入する際に、数百万円で水回りだけリフォームすれば快適に住めるよ~と言われて購入したはいいけれど、よく見てみると直さなければ住めないような箇所がいくつも出てきてしまったということも、度々聞く話です。

2025年の法改正で再建築不可物件は更に厳しくなる?

そして来年の2025年、建築基準法が大きく改定される為、再建築不可物件は更に厳しい状況になります。

これから内容が緩和される可能性もありますが、現時点で再建築不可物件の大規模リフォーム(クロスの貼替、水回りの設備交換や、メンテナンスは除く)は不可能になりそうです。

再建築不可物件を購入して、耐震補強や間取り変更を伴うリフォームをしようと思っていても、2025年の法改正以降はできなくなってしまうのです。

都心のマンションや土地の価格が上がっている為、どうしても価格の安い再建築不可物件が魅力的に見えますが、デメリットをよく理解し、調べた上で検討してください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました