この時期、お問い合わせが増えるのが、アリの相談です。
アリと言っても庭にいる黒アリではなく、家の中にいるシロアリのご相談です。
シロアリが羽蟻になり一斉に飛び立つのが4月~7月(シロアリの種類によって異なります。)と言われているので、この時期の羽蟻を見つけて連絡をくださる方が増えるのです。
シロアリは、建物の柱や梁などを食べ、本来持つ建物の強度を弱くしてしまいます。
その為、見つけたらすぐに対策をしなければなりません。
こんな現象を家の中でみたことはありませんか?
・大量の羽蟻が家の中で発生する
一度に羽蟻が飛び立つのがシロアリの特徴です。先ほどもお伝えしましたがとくに4月~7月の時期に、大量に羽蟻を見つけたら、家のどこかにシロアリに食べられてしまっている木がある可能性が高いので、羽蟻を見つけたら写真を撮って専門家に相談してください。
・掃除しても木のくずのようなものが出てくる場所がある
それはシロアリのフンかもしれません。何か服に土でもついていたかな~と掃除してしまいがちですが、こんな砂みたいな、種みたいな粒粒が家の中に落ちていたら注意です。
▼アメリカカンザイシロアリのフン
・柱や敷居などに穴が開いてスカスカしている箇所がある
家の柱や敷居が、スカスカしていたり、穴があいているところはありませんか?その場合、かなり広範囲にシロアリ被害が広がっている可能性があります。とくに湿気の多いお風呂やキッチン回りの敷居や柱などを注意して見て下さい。スカスカしていなくても、黒ずんていたり、カビが生えていたら、シロアリが大好きな腐朽菌がいるので、シロアリがやってくるのも時間の問題です。
・最近床が軋む場所がある
少し築年数が経った家ですと柱や梁が見える、真壁造りでしたが、今は大壁が主流となり部屋に柱や梁などが見えない家も多いかと思います。
シロアリに食べられた材木は強度がなくなり、床が軋んできてしまうことがあります。
一部だけ、床が沈む、踏むと軋むなど何か変化があるようなら一度床下を点検する必要があります。
・給配管からの水漏れや雨漏りがしたことがあり放置している
木造住宅にとって一番の天敵は水です。雨が入ってしまうと、とたんに材木が腐り、シロアリがやってきます。一度雨漏りしたけれど、その後は表面に出てきていないからそのままにしているところはありませんか?一度雨が入ると、通り道が出来てしまうので、何か処置をしなければ雨が降るたびに、その部分が濡れている状態になり、シロアリの大好きな腐朽菌が発生します。
シロアリが材木を食べると本来ある材木の強度が発揮できず、大きな地震が来た時に倒壊してしまいます。
どれか一つでも当てはまるものがある場合は、注意が必要です。
シロアリは決して珍しい虫ではなく土があればどこにでもいます。いくらちゃんと耐震設計された建物でもメンテンナンスをきちんとし、建物を維持していかないと、地震に耐えられません。
シロアリに食べられてしまった材木を何度も見たことがありますが、最終的に木はシロアリに食べられて土に戻ります。柔らかい部分を食べた材木はスカスカになり、手で叩いただけで粉々になります。
▼シロアリが食べた柱
この状態が建物の主要構造部だった場合どうなるか、想像しただけで恐ろしいですね。
シロアリに好かれる事してませんか?
・木でできたフェンスや倉庫、ウッドデッキがあり長い間メンテナンスをしていない
建物の近くに、木でできた物がある場合、その木が雨風に晒されて腐朽し、そこにシロアリがやってきます。それだけで済めばよいのですが、食べつくした後は近くの母屋をシロアリが狙ってきます。木でできたフェンスや倉庫などは、腐らないよう外用の塗料を定期的に塗ってメンテナンスをするようにしましょう。
・使っていないDIY用の木材を庭に置いている
シロアリは腐った木が大好きです。DIYで使った木材を、外壁の近くに立てかけたり放置していませんか。水に濡れた木があればシロアリがやってきます。雨に濡れないようにするか家の中に仕舞うなどして屋外に放置しないようにしましょう。
・お洒落なので枕木を庭に敷いている
枕木を飛び石替わりにしたり、駐車場に敷いているお洒落なお庭があります。とっても素敵ですが、枕木もキッチンと防蟻処理を行わないと、シロアリを呼び寄せてしまうので注意が必要です。
・外部に古紙や段ボールを長い時間放置している
木だけでなはなく、古紙や段ボールなどもシロアリは食べます。ゴミ出しなどの短い間であれば問題はありませんが、長い時間放置するとシロアリがやってきます。
・床下の換気口の前に物を置いている
シロアリは乾燥に弱く、湿気の多いところを好みます。
床下の換気がよくない場所は、湿気が溜まりシロアリが生息しやすい場所になってしまうため、床下換気口の前に物を置いたりせず、常に換気できる状態を保つことが大切です。
まとめ
シロアリは、私たちにとっては害虫ですが、自然界にはなくてはならない益虫なんです。人が暮らすずっと前から自然界に存在していました。
シロアリが、落ち葉や枯れてしまった木を食べ土に戻すことで森は豊になり保たれていました。材木を食べて土に戻すといったシロアリのやっていることは悪いことではありません。ただただ、建物の木には寄り付かないでいてほしい。
その為に、家のメンテナンスや、もしシロアリを見つけてしまった時には後回しにせずすぐに専門家に相談してください。
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