14年前にスケルトンリフォームをさせて頂いた江東区のH様より、最近羽蟻が出てきて調べたらどうもシロアリらしいので、検査と駆除をお願いしたいとお電話を頂きました。
同じ時期に5年前にリフォームをさせて頂いた渋谷区のO様より、特に事象は出ていないけれども5年経ったので点検をお願いしたいとご連絡を頂きました。
ちょうどシロアリの羽蟻が飛び立つ時期が4月~7月なので、この時期にはシロアリのご相談を頂くことが多いです。
14年前にリフォームをさせて頂いたH様、当時解体した際に、かなりシロアリに食べられてしまって柱が浮いている状態の箇所もあったほどでした。その時に、シロアリに食べられて強度がなくなってしまった柱は交換し、シロアリ防止の薬剤を噴霧したのですが、効果は約5年程です。
H様の14年前のシロアリ被害の様子を少しだけお伝えいたします。
▼14年前のリフォーム時のシロアリ被害の様子
シロアリに食べられて柱が浮いている状態だったので、補強しながらの解体となりました。
▼こちらは土台が朽ちて無くなって、柱が浮いています。
シロアリは1階の柱を食べ、通し柱から2階へ行っていました。
14年前に、シロアリに食べられた柱等は交換したり、補強したりしてリフォームしました。
どうしても抜けない柱は、横に新しい柱を添えて補強しています。
交換可能な柱は取り換えてリフォームしました。
今回のシロアリ被害の原因
14年たった今年に羽蟻を見つけて、調べてみたところシロアリの可能性が高いということでご依頼を頂きました。
シロアリ駆除の専門業者と一緒に建築士の塩谷が伺い、現地を拝見したところ、やはり一部シロアリに食べられしまっている木材が見られました。
その原因が、外からの雨漏りの侵入ではなく、壊れた冷蔵庫からの長年の水漏れが原因でシロアリがきて玄関の框を食べられてしまっていたとのことでした。
冷蔵庫や、エアコンなどの機械類から少しずつ水が漏れれて、その周りがずっと濡れている状態ですと腐朽菌につられてシロアリが来てしまうんですね。機械の不具合が、長年放置してしまったことにより、建物まで被害が及んでしまう怖い事例となりました。
ただ、幸いにも構造材ではなく、玄関の框の木材が少し食べられてしまっている状態だったので今いるシロアリの駆除の玄関框の交換をすることになりました。
▼シロアリの専門業者さんによる点検作業
▼薬剤噴霧の為、畳の下地の一部を解体し、機械が入る大きさに点検口を設けます。
こちらも同様、壁に点検口を一つ作りました。
▼シロアリ駆除業者による薬剤噴霧
▼作業が完了し、点検口をふさぎ終了です。
リフォームは1回で終了ではなく、その後ある一定期間を過ぎたらメンテナンスが必要です。
今回5年過ぎて渋谷区のO様が、点検のご依頼を頂いた時期はとても良い時期だと思いました。
事象が出てきてからより、その前に点検しておいた方が、費用は安く済みます。
住み始めてしまうと、他の事に忙しくなり家のメンテナンスはどうしても後回しになりがちですが、シロアリに関しては5年、屋根や外壁のメンテナンスは10年を目途に点検や塗りなおし等をして頂いた方が建物を長く丈夫に保つことができます。
羽蟻が出ているならもちろん点検は必要ですが、雨漏りも放置するとシロアリがやってくるので注意が必要です。
雨の多い梅雨の時期、天井にシミのようなものが出来た。なぜか一部だけカビが生えているところがるなど、ちょっとでも雨漏りのサインがある場合は、業者さんに雨漏りが無いか確認してもらうことも大事なことです。
また、今回のように家電からの水漏れによるシロアリ被害もありますので、
・最近エアコンから水がぽたぽた垂れることがある。
・冷蔵庫の下が湿っている。
・洗濯機のホースから水が少しずつ漏れている
等がありましたら一度修理や点検をなさってください。
安心して長く住み続ける為に、少し建物に目を向ける良い時期なのかもしれません。